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実習期間の延長について

実習期間の延長について

昨年、新たに施行された、「技能実習法」では、制度が厳しくなるだけではなく、充実したものもあります。

実習期間の延長、受入人数枠の見直しなどがありますが、今回は実習期間の延長について見てみましょう。

従来の外国人技能実習制度では、「技能実習1号」で1年、その後「技能実習2号」で2年の最長3年の受入期間でした。

新たな制度では、さらに「技能実習3号」という区分が新設され、受入期間は最大で5年に延長されました。

「技能実習2号」への移行と「技能実習3号」への移行の違い

「技能実習1号」から「技能実習2号」へ移行する場合は、「技能実習1号」で技能等を修得した実習実施者と「同一の機関」で、かつ「同一の技能等」について習熟するための活動を行わなければなりません。

「技能実習2号」から「技能実習3号」へ移行する場合は、移行するまでの間に必ず1か月以上母国に一時帰国しなければなりません。

なお、「技能実習3号」については、技能実習生の希望で実習実施者を変更する(転職する)ことが出来ます。

「第3号技能実習」を実施するためには?(「優良な監理団体」「優良な実習実施者」)

「第3号技能実習」を実施するためには、監理団体および実習実施者は、一定の要件を満たす必要があります。

①監理団体

まず監理団体には、「一般管理事業」と「特定監理事業」があります。

「特定監理事業」は、第1号・第2号団体監理型技能実習のみを行う実習実施者について実習監理を行う事業をいいます。

それに対し「一般監理事業」は、それ以外を行う事業をいいます。

したがって、第3号技能実習の実習監理を行えるのは、「一般管理事業」の許可証を有する監理団体となります。

さらに、「優良な監理団体」と認められるためには、次の基準(120満点)に照らし、6割(72点)以上の得点を得る必要があります。

①団体監理型技能実習の実施状況の監査その他の業務を行う体制(最大50点)※講習の整備から1年までは最大40点
Ⅰ 監理団体が行う定期の監査について、その実施方法・手順を定めたマニュアル等を策定し、監査を担当する職員に周知していること。 ・有:5点
Ⅱ 監理事業に関与する常勤の役職員と実習監理を行う実習実施者の比率。 ・1:5未満:15点
・1:10未満:7点
Ⅲ 過去3年以内の監理責任者以外の監理団体の職員(監査を担当する者に限る。)の講習受講歴。 ・60%以上:10点
・50%以上60%未満:5点
Ⅳ 実習実施者の技能実習責任者、技能実習指導員、生活指導員等に対し、毎年、研修の実施、マニュアルの配布などの支援を行っていること。 ・有:5点
Ⅴ 帰国後の技能実習生のフォローアップ調査に協力すること。 ・有:5点
Ⅵ 技能実習生のあっせんに関し、監理団体の役職員が送出国での事前面接をしていること。 ・有:5点
Ⅶ 帰国後の技能実習生に関し、送出機関と連携して、就職先の把握を行っていること。 ・有:5点
②技能等の修得等に係る実績(最大40点)
Ⅰ 過去3年間の基礎級程度の技能検定等の学科試験及び実技試験の合格者(旧制度の基礎2級程度の合格率を含む)。 ・95%以上:10点
・80%以上95%未満:5点
・75%以上80%未満:0点
・75%未満:-10点
Ⅱ 過去3年間の2・3級程度の技能検定等の実技試験の合格率。

※計算方法は実習実施者の①Ⅱと同じ。

※施行後3年間については、Ⅱに代えて、Ⅱ⁻2(1)及び(2)で評価することも可能とする。

・80%以上:20点
・70%以上80%未満:15点
・60%以上70%未満:10点
・50%以上60%未満:0点
・50%未満:-20点
Ⅱ-2(1) 直近過去3年間の3級程度の技能検定等の実技試験の合格実績。 ・2以上の実習実施者から合格者を輩出:15点
・1の実習実施者から合格者を輩出:10点
・上記以外:-15点
Ⅱ-2(2) 直近過去3年間の2級程度の技能検定等の実技試験の合格実績。 ・2以上の実習実施者から合格者を輩出:5点
・1の実習実施者から合格者を輩出:3点
Ⅲ 直近過去3年間の2・3級程度の技能検定等の学科試験の合格実績。  ※2級、3級で分けず、合格人数の合計で評価 ・2以上の実習実施者から合格者を輩出:5点
・1の実習実施者から合格者を輩出:3点
Ⅳ 技能検定等の実施への協力

※傘下の実習実施者が、技能検定委員又は技能実習評価試験において技能検定委員に相当する者を社員等の中から輩出している場合や、実技試験の実施に必要とされる機材・設備等の貸与等を行っている場合を想定

・1以上の実習実施者から協力有:5点
③法令違反・問題の発生状況(最大5点)
Ⅰ 過去3年以内に改善命令を受けたことがあること(旧制度の改善命令相当の行政指導を含む)。 ・改善未実施:-50点
・改善実施:-30点
Ⅱ 過去3年以内における失踪がゼロ又は失踪の割合が低いこと(旧制度を含む)。 ・ゼロ:5点
・10%未満又は1人以下:0点
・20%未満又は2人以下:-5点
・20%以上又は3人以上:-10点
Ⅲ 過去3年以内に責めによるべき失踪があること(旧制度を含む)。 ・該当:-50点
Ⅳ 過去3年以内に傘下の実習実施者に不正行為があること(監理団体が不正を発見して機構に報告した場合を除く)。 ・計画認定取り消し

15%以上:-10点

10%以上15%未満:-7点

5%以上10%未満:-5点

0%を超え5%未満:-3点

・改善命令

15%以上:-5点

10%以上15%未満:-4点

5%以上10%未満:-3点

0%を超え5%未満:-2点

④相談・支援体制(最大15点)
Ⅰ 機構・監理団体が実施する母国語相談・支援の方法・手順を定めたマニュアル等を策定し、関係職員に周知していること。 ・有:5点
Ⅱ 技能実習の継続が困難となった技能実習生に引き続き技能実習を行う機会を与えるための受け入れに協力する旨の機構への登録を行っていること。 ・有:5点
Ⅲ 過去3年以内に、技能実習の継続が困難となった技能実習生に引き続き技能実習を行う機会を与えるために、当該技能実習生の受け入れを行ったこと(旧制度による受入れを含む)。 ・有:5点
⑤ 地域社会と共生(最大10点)
Ⅰ 受け入れた実習生に対し、日本語の学習の支援を行っている実習実施者を支援していること。 ・有:4点
Ⅱ 地域社会との交流を行う機会をアレンジしている実習実施者を支援していること。 ・有:3点
Ⅲ 日本の文化を学ぶ機会をアレンジしている実習実施者を支援していること。 ・有:3点

②実習実施者

「優良な実習実施者」と認められるためには、次の基準(120満点)に照らし、6割(72点)以上の得点を得る必要があります。

①技能等の修得等に係る実績(最大70点)
Ⅰ 過去3年間の基礎級程度の技能検定等の学科試験及び実技試験の合格率(旧制度の基礎2級程度の合格率を含む)。 ・95%以上:20点
・80%以上95%未満:10点
・75%以上80%未満:0点
・75%未満:-20点
Ⅱ 過去3年間の2・3級程度の技能検定等の実技試験の合格率。

<計算方法>

分母:新技能実習生の2号・3号修了者数

-うちやむを得ない不受験者数

+旧技能実習生の受験者数

分子:(3級合格者数+2級合格者数×1.5)×1.2

※旧技能実習生の受験実績について、施行日以降の受験実績は必ず算入。施行日前については、施行前の基準日以前の受験実績は算入しないこととすることも可。

※施行後3年間については、Ⅱに代えて、Ⅱ⁻2(1)及び(2)で評価することも可能とする。

・80%以上:40点
・70%以上80%未満:30点
・60%以上70%未満:20点
・50%以上60%未満:0点
・50%未満:-40点
Ⅱ-2(1) 直近過去3年間の3級程度の技能検定等の実技試験の合格実績。 ・合格者3人以上:35点
・合格者2人:25点
・合格者1人:15点
・合格者なし:-35点
Ⅱ-2(2) 直近過去3年間の2級程度の技能検定等の実技試験の合格実績。 ・合格者2人以上:5点
・合格者1人:3点
Ⅲ 直近過去3年間の2・3級程度の技能検定等の学科試験の合格実績。  ※2級、3級で分けず、合格人数の合計で評価 ・合格者2人以上:5点
・合格者1人:3点
Ⅳ 技能検定等の実施への協力

※傘下の実習実施者が、技能検定委員又は技能実習評価試験において技能検定委員に相当する者を社員等の中から輩出している場合や、実技試験の実施に必要とされる機材・設備等の貸与等を行っている場合を想定

・有:5点
②技能実習を行なわせる体制(最大10点)  ※講習の整備から1年までは配点なし
Ⅰ 過去3年以内の技能実習指導員の講習受講歴 ・全員有:5点
Ⅱ 過去3年以内の生活指導員の講習受講歴 ・全員有:5点
③技能実習生の待遇(最大10点)
Ⅰ 第1号技能実習生の賃金(基本給)のうち最低の者と最低賃金の比較 ・115%以上:5点
・105%以上115%未満:3点
Ⅱ 技能実習生の賃金に係る技能実習の各段階ごとの昇給率 ・5%以上:5点
・3%以上5%未満:3点
④法令違反・問題の発生状況(最大5点)
Ⅰ 過去3年以内に改善命令を受けたことがあること(旧制度の改善命令相当の行政指導を含む)。 ・改善未実施:-50点
・改善実施:-30点
Ⅱ 過去3年以内における失踪がゼロ又は失踪の割合が低いこと(旧制度を含む)。 ・ゼロ:5点
・10%未満又は1人以下:0点
・20%未満又は2人以下:-5点
・20%以上又は3人以上:-10点
Ⅲ 過去3年以内に責めによるべき失踪があること(旧制度を含む)。 ・該当:-50点
⑤相談・支援体制(最大15点)
Ⅰ 母国語相談・支援の方法・手順を定めたマニュアル等を策定し、関係職員に周知していること。 ・有:5点
Ⅱ 受入れた技能実習生について、すべての母国語で相談できる相談員を確保していること(旧制度を含む)。 ・有:5点
Ⅲ 過去3年以内に、技能実習の継続が困難となった技能実習生に引き続き技能実習を行う機会を与えるために、当該技能実習生の受け入れを行ったこと(旧制度による受入れを含む)。 ・有:5点
⑥地域社会と共生(最大10点)
Ⅰ 受け入れた実習生に対し、日本語の学習の支援を行っていること。 ・有:4点
Ⅱ 地域社会との交流を行う機会をアレンジしていること。 ・有:3点
Ⅲ 日本の文化を学ぶ機会をアレンジしていること。 ・有:3点

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