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「特定技能」と「外国人技能実習」の違いは?

4月1日より外国人労働者の受け入れを拡大する新制度「特定技能」 の運用が始まりました。

現時点で 、「特定技能1号」 の農業の業種でカンボジア人女性2名が取得しています。彼女たちは「技能実習2号」を良好に修了し、「特定技能1号」に在留資格を変更し許可されました。

「特定技能」、「技能実習」のいずれも、外国人に日本の企業で業務に従事していただきますが、何が異なるのでしょうか。

それぞれ違いを見ていきましょう。

「技能実習」と「特定技能」の制度比較

関係法令

技能実習は「わが国で培われた技能、技術又は知識の開発途上地域等への移転を図り、当該開発途上地域等の経済発展を担う『人づくり』に寄与することを目的」 としており、特定技能は「 中小企業・小規模事業者をはじめとした人手不足の深刻化への対応として、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を幅広く受け入れるため、就労を目的とし」ているように、第一に目的が違います。

在留資格

技能実習の在留資格は「技能実習1号または2号または3号」、特定技能の在留資格は「特定技能1号または2号」となります。

在留期間

技能実習1号は1年以内、2号は2年以内、3号は2年以内です。合計すると最長で5年間になります。一方、特定技能1号は通算で5年です。

外国人の技能水準

技能実習では技能の水準は求められませんが、特定技能では「相当程度の知識または経験」が必要となります。

入国時の試験

技能実習では、介護職種を除き試験はありません。ただし介護職種の場合は、入国時に日本語能力試験N4レベルの日本語能力が必要です。一方、特定技能1号では日本語能力テストとそれぞれの分野に応じた技能試験に合格することが必要です。ただし、「技能実習2号」を良好に修了した者はこれらの試験は免除されます。

送出し機関

技能実習では、外国政府の推薦または認定を受けた機関が技能実習生の応募・選考・決定などを行い監理団体に送出します。一方、特定技能では送出し機関の関与はなく、企業様と外国人本人の契約になります。

監理団体

技能実習では、監理団体が実習実施者への監査その他監理事業を行います。一方、特定技能ではありません。

支援機関

上記の監理団体と似た役割を果たすのが「登録支援機関」とよばれるものです。

登録支援機関では、受入れ機関からの委託を受けて1号特定技能外国人に生活の相談や支援などを行います。

受入れ機関に対して監理団体は上下の関係であるのに対し、登録支援機関は中立的立場にあるという違いがあります。

外国人材と受入れ機関のマッチング

技能実習は、通常監理団体と送出し機関を通じて行われます。一方、特定技能では、受入れ機関が直接海外で採用活動を行うことができます。また国内外の斡旋機関等を通じて採用することもでき、多くはこちらの方法になるのではないかと思われます。

受入れ機関の人数枠

技能実習では常勤職員の総数に応じた人数枠があります。一方で、特定技能では、分野全体としての人数枠はありますが、受け入れ企業ごとの人数枠は介護分野と建設分野を除きありません。

活動内容

技能実習は、「技能実習計画に基づいて、講習を受け、および技能等に係る業務に従事する活動(1号)」、「技能実習計画に基づいて、技能等を要する業務に従事する活動(2号、3号)」(非専門的・技術的分野)です。一方、特定技能では、「相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動」(専門的・技術的分野)です。

転籍・転職

技能実習では、実習実施者等の倒産等やむを得ない場合や、技能実習2号から技能実習3号への移行時には転籍ができますが、原則はできません。一方、特定技能では、同一の業務区分内または試験によりその技能水準の共通性が確認されている業務区分間においては転職が可能です。

いかがでしたでしょうか。

「特定技能」では転職の心配をされる声も一部の企業様から聞かれますが、一定以上の日本語能力と技能を持った外国人を雇用できるというメリットもあります。

また「特定技能」では1号特定技能外国人に限り支援が必要ですが、5年間を通してでは「特定技能」の方がコスト面ではよいでしょう。

「特定技能」か「技能実習」か、どちらかにするのではなく、「技能実習2号」終了後「特定技能」へ。また「技術・人文知識・国際業務」も併用して人材不足の解消につなげていくことをお勧めします。

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